生体認証が広げるコスト削減の可能性
要するに運用が難しいって事だと思うのですけどね。
運営になってしまうと少し業務フローを見てみないとなんとも言えないと思うのですが、生体認証を入れれば安全ってわけでは内のですからね。
どちらかといえば、生体認証は中に向くシステムよりも外向きのパフォーマンスで意味を発揮すると思っていましたから、こういう切り口は新鮮で考えるきっかけになったので、少し考えてみると面白いかも知れませんね。
そうかぁICカードの変わりかぁ....
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「なりすましを防げる」「確実な本人認証ができる」――などの理由から、銀行ATMや企業の入退室管理などのセキュリティ対策ツールとして生体(バイオメトリクス)認証の採用が増えている。
ICカードやID・パスワードによる認証が抱える紛失や偽造などのリスクを回避でき、本人にしか持ち得ない指紋や手のひら静脈による認証は、高度なセキュリティを実現できると注目を集めている。この新技術には、高度なセキュリティと同時に、コスト削減を実現する可能性がある。
●生体認証を出退勤管理システムで活用する
「生体認証でコスト削減を考える場合、出退勤管理システムへの新規導入なら効果が出るのではないか」
こう話すのは、NECでバイオメトリクス事業推進部に勤める諏訪多れい主任。2007年12月に、生体認証事業に注力すると発表したNECでは、顔認証、指紋認証を中心としたソリューションを提供している。
「生体認証に寄せられる要望は『セキュリティ対策』がほとんど」と諏訪多氏は強調する。ここ数年は、個人情報保護の観点からの引き合いが増えているという。「コスト削減の目的での導入は、ICカードと比較すると効果が見えやすい」と諏訪多氏。
入退出管理や勤怠管理システムの新規導入の際、ICカードと生体認証の両方を比較検討している企業が多いという。ICカードによる社員証を使った入退室管理をしようとすると、ICカードには費用がかかる。例えば、印刷コストや紛失に対応するコスト、不携帯に対する仕組みを作る必要もあり、入社や異動によるカードの新規発行にもコストがかかる。「ICカードによるシステムは、システム導入に費用をかけた後もランニングコストが頻繁に発生する」と諏訪多氏。逆に生体認証システムでは、物理デバイスのコストがかからない分、コストを抑えられるというわけだ。生体認証システムでは、装置を購入した後、社員情報の登録は生体情報の登録だけで済む。社員の異動の際も、一度登録した情報を使えば良い。
出退勤システムに生体認証を導入するメリットもある。確実な本人認証ができるとという特性によって、「なりすまし」による不正打刻が不可能になるのだ。不正打刻によって、実際に勤務をしていないにもかかわらず人件費が発生するケースがあるという、生体認証による確実な本人による打刻によって、余剰に発生していた人件費を削減できる。
NECでは、厳密なセキュリティという観点から生体認証製品の販売を開始したが「出退勤管理での問い合わせが予想以上に多く、『なりすまし防止』用途でも利用できることに気づいた」と諏訪多氏は振り返る。実際、不正防止による人件費の削減効果は高いという。
●老舗スーパーが“指紋認証”で勤怠管理
神奈川県川崎市にある「十字屋商店 溝ノ口店」は、今年で創業49年を迎える老舗スーパーマーケットだ。溝ノ口店のほかに、柿生店、あざみ野店の合計3店舗を構える。十字屋商店では、2008年10月に指紋認証を用いた勤怠管理システムを導入した。
同商店は、全従業員の約7割がアルバイト職員。勤務時間もさまざまで、従業員の入れ替わりも頻繁に発生する。新システムの導入前は、紙のタイムカードを用いた勤怠管理システムを使用していた。従来のシステムでは、タイムレコーダーに打刻した情報の集計に時間がかかり、打刻ミスも多く発生するなどの問題を抱えていた。
タイムレコーダーと給与管理システムが連携していなかったため、月末の集計に4日もの時間を費やしていた。タイムレコーダーに打刻した数字をExcel上に打ち込んで集計し、給与管理システムに入力する作業をしていたという。「打刻漏れや打刻ミスは月末のチェックの段階で発覚するため、何週間も前の勤怠時間を覚えていないことも多々あった」と話すのは、現在勤怠管理システムの運用を担当する経理課管理担当の北山夏美氏。
もう1つの課題は、他人のタイムカードを誤って打刻してしまうミスへの対応だ。「月に相当数発生していた」(北山氏)というこのミスは、普段タイムカードを保管している位置に他人のタイムカードが保管してあったりした場合に発生する。その打刻ミスを解消したいという思いから、指紋認証による勤怠管理システムの導入に踏み切った。
導入したのは、ヒューマンテクノロジーズの指紋認証のASPサービス「King of time」。指紋認証で打刻した情報を自動集計し、給与管理ソフトウェアとも連携できる。打刻から給与計算まで一括でできるサービスだ。
同商店では、従業員出入り口に、指紋認証装置を接続したPCを1台設置している。従業員はマウスの操作で「出勤」「退勤」「休憩」を選択し、認証装置で打刻する。「高齢の従業員も簡単な操作なのですぐに慣れた」という。
「指紋認証を選択した理由は? 」との問いに「自分しか押せないから」と北山氏。一番の問題は打刻ミスだったというから、間違いを防げる点での評価が高い。ICカードによるタイムレコーダーの導入も検討したが、レコーダーとカード1枚1枚の価格の試算より、指紋認証システムにかかる費用が「1店舗につき7万円ほど安かった」と、コスト面でも評価している。3店舗合わせて年間で21万円の削減になる。
北山氏は「装置の導入だけでは運営は難しい」と指摘する。システムの刷新に当たり、勤怠管理の仕組みも変更した。出退勤、休憩時間に指紋を認証して時間を登録するだけでなく、その日の勤務時間をあらかじめ記し、上司に認印をもらう「申告カード」を新たに作った。申告カードに記された時間と、システムに打刻された実際の勤務時間を照らし合わせている。
上司の命令によって勤務する時間帯を記し、延長した場合も延長時間を書き、承認を受ける仕組みを作ったことで「従業員の意識が変わった」(北山氏)という。「以前は、目的なく延長勤務を続ける従業員も見受けられたが、導入後は申請した時間までに終わらせようという意識が芽生え、適正な延長がなされるようになった」のだ。
導入して5カ月、コスト削減の効果はあったのか。北山氏は「現在、具体的な数値については検証している段階だが、主に人件費の部分で削減効果は目に見えている」という。1つ目の効果は、タイムレコーダー情報の集計作業にかかっていた4日という日数を解消できたこと、2つ目の効果は、余剰な労働により発生していた人件費を削減できたことだ。確実な本人認証によって打刻ミスがなくなったことも、従業員の満足度の向上に貢献している。
●生体認証の今後
ミック経済研究所が2008年11月に発表した、「生体認証型ソリューション」の市場調査リポートでは、今後、入退室管理やPCログインでの利用が拡大していくと予測している。
同研究所の調査によると、生体認証ソリューションの採用用途別では、入退出管理が42%、PCログインが36%。2008年度の市場規模は235億円で、2009年度以降は平均16.9%の成長率で成長し、2012年度には見込み額が441億4000万円になるとしている。
ミック経済研究所のアナリスト、川野義則氏は、この成長率について「非常に大きな成長」としている。生体認証が、銀行ATMなどへの導入により、目に触れる機会が増えたことから認知率が上がり、導入までの障壁が少なくなったためという。
「コスト削減の観点からは、主に人的リソースの削減が見込まれる」と川野氏は言う。重要施設の入り口や受付に警備員を配置して目視で認証をする企業が多いことを川野氏は指摘し、さらにICカードによる入退室管理では、カードの貸し借りによって「なりすまし」が発生するため、実際に人的リソースの削減には至らないという。
生体認証では「なりすまし」を防止し、確実な本人認証ができる。今後はセキュリティだけでなく、コスト削減の観点からも生体認証の導入が広がると考えられる。
運営になってしまうと少し業務フローを見てみないとなんとも言えないと思うのですが、生体認証を入れれば安全ってわけでは内のですからね。
どちらかといえば、生体認証は中に向くシステムよりも外向きのパフォーマンスで意味を発揮すると思っていましたから、こういう切り口は新鮮で考えるきっかけになったので、少し考えてみると面白いかも知れませんね。
そうかぁICカードの変わりかぁ....
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「なりすましを防げる」「確実な本人認証ができる」――などの理由から、銀行ATMや企業の入退室管理などのセキュリティ対策ツールとして生体(バイオメトリクス)認証の採用が増えている。
ICカードやID・パスワードによる認証が抱える紛失や偽造などのリスクを回避でき、本人にしか持ち得ない指紋や手のひら静脈による認証は、高度なセキュリティを実現できると注目を集めている。この新技術には、高度なセキュリティと同時に、コスト削減を実現する可能性がある。
●生体認証を出退勤管理システムで活用する
「生体認証でコスト削減を考える場合、出退勤管理システムへの新規導入なら効果が出るのではないか」
こう話すのは、NECでバイオメトリクス事業推進部に勤める諏訪多れい主任。2007年12月に、生体認証事業に注力すると発表したNECでは、顔認証、指紋認証を中心としたソリューションを提供している。
「生体認証に寄せられる要望は『セキュリティ対策』がほとんど」と諏訪多氏は強調する。ここ数年は、個人情報保護の観点からの引き合いが増えているという。「コスト削減の目的での導入は、ICカードと比較すると効果が見えやすい」と諏訪多氏。
入退出管理や勤怠管理システムの新規導入の際、ICカードと生体認証の両方を比較検討している企業が多いという。ICカードによる社員証を使った入退室管理をしようとすると、ICカードには費用がかかる。例えば、印刷コストや紛失に対応するコスト、不携帯に対する仕組みを作る必要もあり、入社や異動によるカードの新規発行にもコストがかかる。「ICカードによるシステムは、システム導入に費用をかけた後もランニングコストが頻繁に発生する」と諏訪多氏。逆に生体認証システムでは、物理デバイスのコストがかからない分、コストを抑えられるというわけだ。生体認証システムでは、装置を購入した後、社員情報の登録は生体情報の登録だけで済む。社員の異動の際も、一度登録した情報を使えば良い。
出退勤システムに生体認証を導入するメリットもある。確実な本人認証ができるとという特性によって、「なりすまし」による不正打刻が不可能になるのだ。不正打刻によって、実際に勤務をしていないにもかかわらず人件費が発生するケースがあるという、生体認証による確実な本人による打刻によって、余剰に発生していた人件費を削減できる。
NECでは、厳密なセキュリティという観点から生体認証製品の販売を開始したが「出退勤管理での問い合わせが予想以上に多く、『なりすまし防止』用途でも利用できることに気づいた」と諏訪多氏は振り返る。実際、不正防止による人件費の削減効果は高いという。
●老舗スーパーが“指紋認証”で勤怠管理
神奈川県川崎市にある「十字屋商店 溝ノ口店」は、今年で創業49年を迎える老舗スーパーマーケットだ。溝ノ口店のほかに、柿生店、あざみ野店の合計3店舗を構える。十字屋商店では、2008年10月に指紋認証を用いた勤怠管理システムを導入した。
同商店は、全従業員の約7割がアルバイト職員。勤務時間もさまざまで、従業員の入れ替わりも頻繁に発生する。新システムの導入前は、紙のタイムカードを用いた勤怠管理システムを使用していた。従来のシステムでは、タイムレコーダーに打刻した情報の集計に時間がかかり、打刻ミスも多く発生するなどの問題を抱えていた。
タイムレコーダーと給与管理システムが連携していなかったため、月末の集計に4日もの時間を費やしていた。タイムレコーダーに打刻した数字をExcel上に打ち込んで集計し、給与管理システムに入力する作業をしていたという。「打刻漏れや打刻ミスは月末のチェックの段階で発覚するため、何週間も前の勤怠時間を覚えていないことも多々あった」と話すのは、現在勤怠管理システムの運用を担当する経理課管理担当の北山夏美氏。
もう1つの課題は、他人のタイムカードを誤って打刻してしまうミスへの対応だ。「月に相当数発生していた」(北山氏)というこのミスは、普段タイムカードを保管している位置に他人のタイムカードが保管してあったりした場合に発生する。その打刻ミスを解消したいという思いから、指紋認証による勤怠管理システムの導入に踏み切った。
導入したのは、ヒューマンテクノロジーズの指紋認証のASPサービス「King of time」。指紋認証で打刻した情報を自動集計し、給与管理ソフトウェアとも連携できる。打刻から給与計算まで一括でできるサービスだ。
同商店では、従業員出入り口に、指紋認証装置を接続したPCを1台設置している。従業員はマウスの操作で「出勤」「退勤」「休憩」を選択し、認証装置で打刻する。「高齢の従業員も簡単な操作なのですぐに慣れた」という。
「指紋認証を選択した理由は? 」との問いに「自分しか押せないから」と北山氏。一番の問題は打刻ミスだったというから、間違いを防げる点での評価が高い。ICカードによるタイムレコーダーの導入も検討したが、レコーダーとカード1枚1枚の価格の試算より、指紋認証システムにかかる費用が「1店舗につき7万円ほど安かった」と、コスト面でも評価している。3店舗合わせて年間で21万円の削減になる。
北山氏は「装置の導入だけでは運営は難しい」と指摘する。システムの刷新に当たり、勤怠管理の仕組みも変更した。出退勤、休憩時間に指紋を認証して時間を登録するだけでなく、その日の勤務時間をあらかじめ記し、上司に認印をもらう「申告カード」を新たに作った。申告カードに記された時間と、システムに打刻された実際の勤務時間を照らし合わせている。
上司の命令によって勤務する時間帯を記し、延長した場合も延長時間を書き、承認を受ける仕組みを作ったことで「従業員の意識が変わった」(北山氏)という。「以前は、目的なく延長勤務を続ける従業員も見受けられたが、導入後は申請した時間までに終わらせようという意識が芽生え、適正な延長がなされるようになった」のだ。
導入して5カ月、コスト削減の効果はあったのか。北山氏は「現在、具体的な数値については検証している段階だが、主に人件費の部分で削減効果は目に見えている」という。1つ目の効果は、タイムレコーダー情報の集計作業にかかっていた4日という日数を解消できたこと、2つ目の効果は、余剰な労働により発生していた人件費を削減できたことだ。確実な本人認証によって打刻ミスがなくなったことも、従業員の満足度の向上に貢献している。
●生体認証の今後
ミック経済研究所が2008年11月に発表した、「生体認証型ソリューション」の市場調査リポートでは、今後、入退室管理やPCログインでの利用が拡大していくと予測している。
同研究所の調査によると、生体認証ソリューションの採用用途別では、入退出管理が42%、PCログインが36%。2008年度の市場規模は235億円で、2009年度以降は平均16.9%の成長率で成長し、2012年度には見込み額が441億4000万円になるとしている。
ミック経済研究所のアナリスト、川野義則氏は、この成長率について「非常に大きな成長」としている。生体認証が、銀行ATMなどへの導入により、目に触れる機会が増えたことから認知率が上がり、導入までの障壁が少なくなったためという。
「コスト削減の観点からは、主に人的リソースの削減が見込まれる」と川野氏は言う。重要施設の入り口や受付に警備員を配置して目視で認証をする企業が多いことを川野氏は指摘し、さらにICカードによる入退室管理では、カードの貸し借りによって「なりすまし」が発生するため、実際に人的リソースの削減には至らないという。
生体認証では「なりすまし」を防止し、確実な本人認証ができる。今後はセキュリティだけでなく、コスト削減の観点からも生体認証の導入が広がると考えられる。
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